この記事のポイント
- 「Bloomberg」、Google が現在秘密裏に進めている大手ニュースメディアとの AI ライセンスプロジェクトについて報じる
- 「AI による概要(AI Overviews)」や「AI Mode」などの生成 AI の登場によって昨今生じている、検索におけるいわゆる「ゼロクリック問題」を補償するようなプロジェクト
- Google と大手メディアによる AI ラインセンスプロイジェクトは当初、米国内約 20 の主要ニュースメディアとの間で実行される予定
米国総合ニュースメディア「Bloomberg」は 2025 年 7 月 22 日(火)、Google が現在秘密裏に進めている大手ニュースメディアとの AI ライセンスプロジェクトについて報じました。
Google と大手ニュースメディアとの AI ラインセンスプロイジェクトは、「AI による概要(AI Overviews)」や「AI Mode」などの生成 AI の登場によって昨今生じている、検索におけるいわゆる「ゼロクリック問題(ゼロクリック検索)」を補償するようなプロジェクトです。そもそも「ゼロクリック問題」は、ユーザーが何らかの検索を行った際に検索結果上部に表示される生成 AI による要約表示のせいで、その情報元となっているメディアのコンテンツにユーザーが訪問(リンクをクリック)せず、収益が発生しない問題です。
これまでは、検索結果から情報を報じているメディアにユーザーが訪問することで収益が発生していたのですが、昨今生じている「ゼロクリック問題」では、そのユーザーによるメディアへの訪問行為が行われないために収益も発生せず、いわばメディアは Google(もしくは生成 AI)にタダで情報を提供している状態となってしまっています。
「AI による概要」や「AI Mode」の登場のせいで、メディアは損害を被っているわけです。これを補うための、新しい AI ラインセンスプロイジェクトとなる模様。
「Bloomberg」によると、Google と大手メディアによる AI ラインセンスプロイジェクトは当初、米国内約 20 の主要ニュースメディアとの間で実行される予定とのこと。それ以上の詳細については、今のところ不明です。
「ゼロクリック問題」は、国内外で発生している問題で、各国のメディアからの非難の的ともなっています。これを見据えてか、日本ではメディアプラットフォーム「note」が、生成 AI の学習データとして「note」コンテンツ利用された際に対価を得られる新しい収益化プログラム「AI 学習対価還元プログラム」を 2025 年 8 月 1 日(金)から開始しますが、今後 Google AI ラインセンスプロイジェクトや「AI 学習対価還元プログラム」のような、生成 AI への情報提供が対価となるプログラムがメディア向けサービスとして加速すると、私(石井順)個人は予測しています。
Source:Bloomberg
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