この記事のポイント
- Google、Android プラットフォームにおける時刻システムの改善に関連する開発者向け情報を公開
- Android プラットフォームの時刻システムは国際機関「IANA」によって管理されている時刻データベース「TZDB」が元
- 「Project Mainline」に「TZDB(tzdata モジュール)」を組み込み時刻システムの更新を改善
Google は 2024 年 3 月 8 日(金)、Android プラットフォームにおける時刻システムの改善に関連する開発者向け情報を公開しました。
昨今、Android プラットフォームを実装するデバイスは世界中で運用されています。そのため当然の如く、各地域の時刻をサポートする時刻システムも構築され、そして常に更新されています。
Android プラットフォームの時刻システムは、以前はボランティアによって管理され、現在はインターネットプロトコルを管理する国際機関「IANA(Internet Assigned Numbers Authority)」によって管理されている時刻データベース「TZDB(Time Zone Database)」が元となっています。例えばある国で時刻を管理する法律が変更された場合、まずはその国の政府が法律変更の署名を行ったことが「IANA」に通知され、そして「IANA」がその法律に沿って「TZDB」を更新し、その更新された「TZDB」を元にソフトウェアが制作され Android デバイスにソフトウェアアップデートとして配信されるという、数ステップを様するややこしい流れとなるわけです。実際、時刻法変更から Android デバイスへの時刻システム更新アップデートまで、数週間掛かることもあった模様。
しかし、一部コンポーネントを「Google Play ストア」経由のシステムアプリとして配信することにより迅速に低レベルシステムアップデートを実行できる Android モジュラーシステムコンポーネント「Project Mainline」に「TZDB(tzdata モジュール)」が組み込まれたことにより、Android ユーザーはいち早く時刻システムの更新を受け取れるよう改善されました。これは、Android 10 以降の Android プラットフォームですでに提供されています。
要は、Android デバイスに数か月に一回提供されるセキュリティアップデートやシステムアップデート、ファームウェアアップデートではなく、常時提供されている「Google システム アップデート」や「Google Play システム アップデート」、それらに関連するシステムアプリのアップデートにより、Android プラットフォームにおける時刻システムなどの低レベルシステムが常に最新に保たれているということです。直近ではカザフスタンが 2024 年 3 月 1 日(金)よりタイムゾーンを改正し[西部時間(UTC+5)]に単一化していますが、おそらく「Project Mainline」を用いて Android プラットフォームの時刻システムが更新されています。
Source:Google
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