この記事のポイント
- 英国テクノロジーメディアの TechRadar(techradar.com)は 2025 年 7 月 11 日(金)、Google の Android エコシステム担当社長 Sameer Samat 氏が Android プラットフォームの現在と未来について語ったインタビューを公開
- Sameer Samat 氏のインタビューの中で、Android プラットフォームに導入された新しい開発プロセス、「Trunk Stable」と「Android Drops」が紹介
- 「Trunk Stable」や「Android Drops」といった新しい開発プロセスが Android プラットフォームに導入されることで、これまでの恒例行事が覆(くつがえ)る未来
英国テクノロジーメディアの TechRadar(techradar.com)は 2025 年 7 月 11 日(金)、Google の Android エコシステム担当社長 Sameer Samat 氏が Android プラットフォームの現在と未来について語ったインタビューを公開しました。
その Sameer Samat 氏のインタビューの中で、Android プラットフォームに導入された新しい開発プロセス、「Trunk Stable」と「Android Drops」が紹介されました。ちなみに TechRadar による Sameer Samat 氏へのインタビューの中で、Android と ChromeOS の将来的なプラットフォームの統合予定も名言されています。
Google が新世代 Android OS を発表してから各メーカーがその新世代 Android OS を自社デバイスに導入するまで、タイムラグがありました。これは、多くのユーザーが感じている通りで、Google Pixel デバイスに対して新世代 Android OS が導入されてから、各メーカーがその新世代 Android OS を自社デバイスに導入する、という流れとなっています。
新世代 Android OS の発表から各メーカー製デバイスへの導入の流れは、長年の恒例行事です。しかし新たに、「Trunk Stable」や「Android Drops」といった新しい開発プロセスが Android プラットフォームに導入されることで、この恒例行事が覆(くつがえ)る未来も見えてきます。
「Trunk Stable」
従来の Android プラットフォーム開発では、実験的な新機能を盛り込んだ開発(プレビュー)版と、製品としてリリースするための安定(Stable)版が別々に管理されることが多く、最終的に安定させる工程に多くの時間が必要でした。
しかし「Trunk Stable」では、開発の土台となるメインのコード(Trunk)が常にいつでもリリースできるほど安定した状態保たれつつ、開発中の新機能は「機能フラグ」と呼ばれるスイッチによって隔離されるため、開発の根幹部分が不安定となることが防がれます。そして、メーカーが新しい Android プラットフォームを自社デバイスに導入する際は、この安定した土台から必要な新機能のスイッチを ON、開発途中の新機能を OFF にするだけで、迅速に開発を進めながらも、安定した土台のまま新しい Android プラットフォームを自社デバイスに導入することができるようになります。
結果的に各メーカーは、新世代 Android OS を自社製デバイスに迅速に導入することができます。
「Android Drops」
「Android Drops」は名前からもわかる通り、Google が Google Pixel デバイスに展開する新機能パッケージの総称「Pixel Drop」に対する、Android デバイス向け新機能パッケージの総称です。
新世代 Android OS は基本的に年に一度のメジャーアップデートとして展開されるため、新世代 Android OS に実装されるシステムベースの新機能も、年に一回待つ必要がありました。がしかし新機能パッケージ「Android Drops」では、Android OS メジャーアップデートとは別に、対象のアプリのアップデートや小規模なシステムアップデートにて四半期ごとなどのより短い間隔で小分け提供されるようになったため、Android プラットフォームにおける新機能がいち早く展開されるようになりました。
つまり「Trunk Stable」と「Android Drops」のおかげで、各メーカーは Android プラットフォーム開発や新機能開発をより実効しやすくなりました。そして Android ユーザーは、常に進化し続ける最新の Android デバイスを使い続けることができるようになります。
Source:TechRadar
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